talbot one spruce modelについて
ヴァイオリンとスピーカー 同じ音を鳴らすものなのに何故こんなにも考え方が違うんだろうか?という疑問から制作したスピーカーがtalbot oneになります。
ヴァイオリンは薄いスプルースの木でホール全体を響かせるのに対し、従来のスピーカーはとても分厚い木や合板で制作されています。さらにスピーカーは内部のエネルギーを吸音材で吸収さえしています。ヴァイオリンの内部に吸音材なんてありません。
また昨今の住宅事情を考えると、小さいスピーカーで良い音を鳴らしたい。
そういう観点から制作に取り組みました。
ヴァイオリンと同じ音響特性の良い5mmのスプルースを材木メーカーから取り寄せ、板厚が微妙に異なる天然木を愛知の工場で箱にしていただきました。
内部のエネルギーをできるだけスプルース材で響かせたいため、密閉型とし、吸音材も入れておりません。
音の質に関して言えば
スピーカーユニットが2個ついた2way、3個ついた3way等 様々なスピーカーシステムが販売されていますが、純粋に音楽が楽しめるのは ユニット一つのフルレンジシステムだと考えています。
一番は音がクリアに純度が高く聞こえること。
ユニットが増えるごとに音の周波数の重なりクロスオーバーが発生して音は濁っていきます。
なのでフルレンジスピーカー 一つだけの音はクリアで、仕事のじゃまになりません。
BGMを流すスピーカーとしても最適です。
フルレンジスピーカー特有の透き通るサウンドと低音部分はエネルギーを上部のパッシブラジエターに逃して、小さくても低音の出るスピーカーが完成しました。
綺麗な音で低音も出したい、ただバスレフ型のようなぼやけた感じや、バックロードホーンのような遅れた感じは出したくなく、箱の中で共鳴した音を逃がすパッシブラジエーター型を採用しています。
スピーカーのエネルギーの共振を探るため様々なサイズの奥行きをテストし、一番パワーが出る内部容積を決定しています。
さらにスプルースのチップを内部に貼ることにより、板の振動を最適化し、塗装しなくても音が締まるようにコントロールしてあります。
使用ユニットPM-M0841CKはfostexのP800Kと比べてもマグネットのパワーがかなりあります。P800Kにツイーターをプラスしたようなヌケの良い音がなります。
キットとして販売するにあたり、一番難しいのが塗装です。
なのでこの工程をかけなくてもいい音が鳴るため、
塗装しても楽しい、木目だけでも美しい、スピーカーキットが完成しました。
品質や板厚の安定できるMDF素材でのスピーカーキットはあるのですが、
天然のスプルース材でのスピーカーキット。
是非音質楽しんでください。
スピーカー筐体制作ご協力
厚みが異なる天然木によるKITは箱制作のプロフェッショナルでないと実現できませんでした。マルニ様のご協力によりスピーカーとして形にすることができました。
ありがとうございます。